予算決算特別委員会質疑 (林業政策抜粋)

仲倉
「ふくいの森林・林業基本計画」(R2〜6)に掲げた目標の達成状況と現時点で考えている次期計画の目玉について。
鷲頭副知事
県産材の生産量は年々増加をし、令和4年度の実績で24.6万㎥であり、25万㎥という目標を達成できる見込みであるが、一方で、原木の価値を高めるB材需要の創出というのはまだまだ進めていく必要がある。山の価値を最大化する「Fukui Forest Design」という考え方を軸に策定を進めていきたい。
仲倉
苗木のほとんどを県外から調達しているが、県産材の活用を進めるには苗木の段階から自前で生産すべきであり、生産体制をどう図るのか。
農林水産部長
令和5年度で需要量が約21万本に対し、県内の生産量は2万本と大変少ない。令和5年度補正予算において、森林組合が整備する大規模な生産施設に対して支援し、令和6年度も、苗木生産に必要な機械などの設備導入への補助制度を新たに設け、体制の強化・整備につなげていきたい。
仲倉
現在の県内山林の地籍調査の進捗は。
農林水産部長
令和4年度までに、民間の人工林8万6千haのうち3万1千ha、4割の進捗である。新しい手法として航空レーザー測量で県内全ての民有林27万3千haで実施していきたい。
仲倉
農地の「中間管理機構」の山地版「福井県山地管理機構」を創設し、県が主体となって山林の集積と有効利用を図るべき。
農林水産部長
本年4月から相続登記の義務化という動きも踏まえ、経営管理の受託がさらに進むよう市町をサポートしていきたい。
仲倉
林道・作業道の規格が今の林業領域の大型化に対応しきれない路網の状況を点検し、路網の整備計画を見直すべき。
農林水産部長
点検・管理主体の市町と協議しながら必要な拡幅等を進めていきたい。また、作業道については、次年度から、より大きなトラックなどが入れる拡幅についても新たに支援することを考えている。
仲倉
主伐・再造林を見据えて、林家負担の低減を図るため、「福井県版森林再生基金」を創設すべき。
知事
林業は、森林所有者の利益が上がる、林業をやる人達にも収入が上がる、そして林が残っていく、新しい造林がされていく、こういう循環が重要である。福井県版の森林再生基金を検討されているところもあると伺っており、応援をしていきたい。
仲倉
民間施設の県産材活用や県外・海外への市場開拓など、今までの販路開拓から一歩踏み出す展開を図るべきではないか。
農林水産部長
新たな販路開拓は必要である。来年度は、インドネシアの現地法人と連携し、県産材商品を常設展示するといった取組みにチャレンジしていく予定である。

新聞 (福井新聞 2024年1月18日より)